★ 超小型人工衛星用FMCW送信機 2016年開発 TXE430MFMCW-302A ★
<AFSK:1200BPS,GMSK:9600BPS,CWの3モード対応>受注生産中  145MHz送信機はココをクリック
 
外観写真



301A型受信機とネジ止めして組み合わせた例 ↓ (アンテナを各々接続する時は中継ケーブル不要)


----------------------- 仕様(概要) -------------------------------
(1)送信変調方式は3モード内蔵
 1台でAFSKとGMSK(9600BPS)およびCW送信を切り替えて使える。GMSKモデム内蔵(ADF7021)
 小刻みな送信周波数設定が可能(0.1kHzステップ)・・・WSJTに類似の送信波を生成可(シングルトーンのみ)
 AFSKモデムは内蔵しません。(AF IN端子へAFSKサブキャリアを入力すると301A型と同様にAFSK変調できます)
(2)ケース外形は301A型(88.5×60mm)より小さくなって、83×50mm(取付板除く寸法)、厚さは301Aと同じ。
 取り付け用の板を変えることで301A型と同じ取付穴位置で製作可能。
(3)インターフェースと制御方法は301A型と異なる。(送信系統図と回路図参照)
 電源は5Vを供給して下さい。
 301A型に差し替えて使う時に改造点が少なく済むように考慮中。
 <送信機に内蔵のマイコンでPLL周波数設定可能なので、PLL制御ラインを省略>
 送信機にスイッチを接続して動作確認できるテストプログラムを実装。
(4)回路構成
 PLL部は、ハヤブサ2と相乗りで打ち上げられた「しんえん2」に搭載の無線機と同様の回路方式。
 使用するPLLシンセサイザは、無線通信用ICのADF7021に内蔵のPLL部を使います。
(5)動作モード切り替え・・・送信系統図に記載のFMCW0とFMCW1端子で制御
 FMCW1=0,FMCW0=0・・・送信しない(待機状態)
 FMCW1=0,FMCW0=1・・・CW送信(CWKEY ONで0.1W送信)
 FMCW1=1,FMCW0=0・・・FM送信(FMPTT ONで0.8W送信、AFINへAFSK信号を入力)
 FMCW1=1,FMCW0=1・・・GMSK送信(TRDATとTRCLK端子を使用して9600BPS送信)
 上記設定に関わらずPWR端子がOPEN(または5V)では電源OFF(予想漏れ電流1mA以下)
(6)マイコンインターフェースの信号電圧
 PSW以外のマイコンインターフェス信号電圧は、出力:High=3.3V/Low=0〜1V、入力:High=3〜5V/Low=0〜1V
 3.3〜5Vを入力しても壊れませんがPSWをOFF時に1mA程度漏れる場合がある。
 PSWは、OFF=5Vかopen、ON=0〜1Vにして下さい。(オープンコレクタ出力を推奨)

(7)価格は標準仕様の301A型と同じ(消費税は別途必要)・・・302A型は標準機で3モード対応(AFSKとGMSK対応およびCW)
  型番の末尾に-EMが付く「TXE430MFMCW-302A-EM」は温度試験を省略した室内実験用(価格は20%割引)。

(8)301A型との互換性については、ここをクリックして説明書を見て下さい。


取扱説明書・・・クリックするとPDFファイルで見える

無線局事項書・・・クリックするとダウンロード

下図はCN1インターフェース接続例

プログラム書き替えケーブルの図は、PSWとGND接続を追記。


テストプログラム・・・クリックするとダウンロードできる
 FMCW1とFMCW0入力を読み取り、CW/FM(AFSK)/GMSKの3モードを切り替えて送信する。
内蔵のEEPROMに書き込まれた送信周波数データを読み取ってPLL設定する。
送信周波数はEEPROMへ予め書き込む。(437.5MHzでは10進数の4375000を16進数に変換して、42C1D8を書き込む)



3値照合テストプログラム(TXE430MFMCW-302A-3A.asm) 追加・・・EEPROMの周波数データを各々3ヶ所へ書込み、読み出す時に照合する。
☆☆☆ 放射線等によりEEPROMに記憶した周波数データが変わっても2ヶ所のデータが一致したら修復して読み出す ☆☆☆
この3値照合テストプログラムはパワーON時に実行して約1秒間かかるから、送信開始の1秒以上前に電源ONすること。


プログラムを書き替える時の接続


送信機系統図



回路図・・・クリックするとPDFファイルで見える



基板図 (20160606)


 部品実装してケースへ装着した送信基板↓



ケース外形図 (20160416)



---------------- 試作機 No1の温度試験データ 20160608 ---------------



---------------- 試作機 No1の送信周波数スペクトル ------------------



★この送信機には内蔵のADF7021による受信機能も実装可能ですが、受信性能の都合で用途が限られます。
  <内蔵の受信部は、0.2kBPS〜9.6kBPSのFSKまたはGMSKを受信復調可、AFSKは非対応>
 標準機は受信部を実装せずに、301A型の受信機と組み合わせて使用することを前提に設計しています。
 内蔵の受信機能も使いたい場合は使用条件をお知らせ下さい、対応可能か検討します。


------------ 奈良高専で9600BPS GMSKの通信実験 -------------
302A型送信機に接続して9600BPS GMSKパケット送信を行うためのターミナルノードコントローラ(TNC)を設計・試作して
室内送信実験を行い、受信側のハードウェアTNCとソフトウェアTNCの両方で送信文字列の解読に成功しました。


---------------- 送信の実験基板 ------------------
 左側のサブ基板はADF7021搭載の特小用無線モジュール改造基板、右側が微弱無線機を改造した外部VCO。
 下側の基板はNTS220メイン基板でサブ基板固定用。



---------------- ADF7021の出力波形 (外部VCOで実験) ------------------
試作した外部VCOをADF7021実験基板へ接続して400MHzにおけるPLLシンセサイザの出力波形を観測
図の回路構成で正常に動作することを確認した。

その後、バリキャップダイオードを1SV285,C67を3pFに変更して、-30〜+60℃の範囲で動作することを確認できた。


------------- ADF7021の出力スペクトル GMSK 9.6kBPS PN9 ---------------
 437.5MHz 511ビット疑似ランダムデータで変調、占有帯域幅の測定値=9.7kHz
先に実験した時の観測波形はサイドローブが小さく復調波形が異常だったので回路定数を見直して再実験。
R28→680Ω,C79→0.01uFに変更。復調波形は正常になった。(占有帯域幅の測定値は変わらず)

 SPAN=50kHz,RBW=100Hz

アイパターン・・・ADF7021から出力されるGMSK 9.6kBPS PN9変調波を受信した波形。



アイパターン(高速変調実験を追加)・・・GMSK 19.2kBPSと38.4kBPS/PN9変調波を302A型送信機から送信してFM検波器で受信した波形。

 ハードウェアは標準機のまま変更無しで、制御ソフトだけ書き替えた(↑クリックすると制御ソフトをダウンロード)

奈良高専で、302A型送信機と9.6kbps GMSKモード用に試作したTNCを使って、38.4kbps GMSKパケット送信の室内実験を行い、
受信装置に「IC821+38.4kbps用IFDと38.4kbps用TNC(SPIRIT-2)」を使うことで、送信文字列の受信・解読に成功したそうです。



アイパターン(高速変調実験を追加)・・・61.44kBPS/PN9変調波を302A型送信機から送信してFM検波器で受信した波形。

(↑クリックすると制御ソフトをダウンロード)


------------------- TCXOのFM変調特性 ---------------------
 PLL内蔵無線通信用ICのADF7021はAFSK変調用のアナログ入力端子がありません。
そこで今回は、基準発振のTCXOにFM変調をかけて1200BPS/AFSKも送信可能にします。
(株)大真空さんから提供していただいたTCXOのDSA321SDN型19.6608MHzを動かして実験。
1.6Vのバイアスを重畳した2Vp-pの変調信号を電圧制御端子へ入力して、22倍の高調波(432.5376MHz)を観測。
スペクトラムアナライザでスロープ検波すると下図の正常なFM復調波形が得られた。(変調の深さは約±5kHz)
これで、1200BPS/AFSKとADF7021に内蔵のGMSK送信機能を切り替えて構成可能なことを確認できた。
(TCXOの電圧制御端子はデータシートに変調特性としての規定が無く、製造時は選別が必要と推測される)



--------AFSK変調回路のスプラッタフィルタ(LPF)周波数特性をシミュレータで確認-----------



-------- 多値FSKの実験 -----------
おまけ機能として、小刻みな周波数設定が可能な特徴を利用した多値FSKの実験を行った。 20160506
とりあえず、5値FSKのテストプログラムを作成して波形を観測。(クリックするとSSB受信機での復調音を聞ける)

シリアル入力から制御して0〜100BPS程度までの100Hzステップ多値FSKを送信可能なことを確認した。
3kHzの帯域幅であれば16値FSK程度まで可能と推測される。
(録音した音声はマイクを通しているので少し不自然なところがあるが良好なトーン)


★------------- 開発状況 ---------------
 試作機を-30〜+60の温度試験を実施して動作することを確認済み。(2016年6月8日)
 修正したプリント基板へ部品実装して正常に動作することを確認、特性のばらつきは少ない。(2016年6月6日)
 試作機No,1が出来上がり全送信機能を確認できた。(2016年5月23日)
 開発工程は予定通り進んでいて、一部の回路変更で基板修正して2次試作へ進む。
 外部VCOで検討してきたが、変調特性が温度変化で不安定になるので、ADF7021の内部VCOに変更した。
 マイコンポートのB7とC7を接続入れ替えた。
 プリント基板とケースが入荷、部品実装中。(2016年5月10日)
 プリント基板とケースを試作手配しました。(2016年4月26日)


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-----編集責任者:西 裕治 (Ji3CKA)-----