☆☆☆ 微弱SS用無線機 (超高感度微弱無線機) ☆☆☆     <受信機はここをクリック>
   ===== 送信機仕様 =====
周波数・・150MHz帯
 (150〜156MHz、位相バランスは調整周波数の±0.5MHz以内)
☆変調方式・・・BPSK変調(5kBPS以下)
☆周波数安定度・・・±2.5ppm以内(-30〜+70℃)
☆PLL多チャンネル切替可(100チャンネル程度)
☆送信出力・・・微弱電波(3mの距離で500μV/m以内)
☆基板サイズ・・27×35mm
☆電源・・・3V(定電圧)
☆消費電流・・・待機時約1μA,送信時約12mA
長距離通信用SS波復調ソフトは数理設計研究所殿で開発済み
微弱な電波で500mの長距離通信に成功! 


  ------送信機の設計概要------
 内蔵するPICマイコンで150MHz帯PLL周波数制御と送信ON/OFFを行う。
シリアルデータを入力すると位相が180°反転するBPSK変調がかかる。
送信時の消費電流は約12mA、待機時は約1μA。
PICマイコンを内蔵せずにコネクタ接続で外部から同様の制御も可能。(12Pコネクタ、PH形2mmピッチ)

 


1.基板の外観


2.性能試験データ

  位相バランスは3台試験 (2008.4.30)

3.系統図



4.回路図


5.基板図


6.その他
 電源は定電圧化された3Vを供給する(当初はTCXOに2.3Vを供給していたが不安定なので外部から定電圧化した3V供給に変更)
 送信出力はアンテナ接続端で約-25dBmで、設置状態で送信電界は変わるのでアンテナ長等を調整して微弱な電界レベルにすること。
 半固定抵抗器(RV1)で送信周波を微調整していたが「ガリ」の症状が出やすいために省略して固定抵抗だけにした。
 RTC(IC4)は基板設計ミスの為、今回は使用しない。

 PLLの送信周波数設定範囲は150〜156MHz。(常温での実力は約147〜160MHz)
 位相バランスは調整した周波数の約±0.5MHz以内。
 その位相バランスは、使用する周波数で基板上のトリマコンデンサを調整します。
 調整した周波数を中心に±0.5MHz以内はマイコンからの周波数設定だけで変更可。
 ±0.5MHz以上に変更する時は位相バランスの再調整が必要 (無調整で使える範囲が予想より狭かったので御注意)




  ======================= 以下は方針変更迄の途中経過 =======================
 ☆試作基板では300MHzでSS用のBPSK変調が不安定になることが分かり、150MHzに途中から変更<2007.8.23>

--------------- 開発状況 2007.8.13 ---------------
1.概況(2007年6月〜8月)
 試作した送信機と受信機を使いSS変調による通信実験を数理設計殿で行なわれた結果、
基本的な送信変調および受信復調動作することを確認できた。

しかし実用上は、送信機側で解決しなければならない次の問題がある。
a.BPSK変調回路の位相バランスが不安定(量産時のバラツキが大きく温度変化に弱い)
b.変調前の信号が空間に漏れるレベルが大きい(輻射方向で位相バランスが変動する)
c.目的の用途から、対策方法は小型軽量・低消費電力に作れる送信機形状が望まれる。

2.対策案と問題点:BPSK変調回路の位相バランスを安定にするには、次のような方法が考えられる。
(1)逓倍する前の低い周波数でBPSK変調後に、3逓倍して目的の送信信号を出力−−−>NG(位相が不安定)
  <BPSK変調がPLL回路に与える影響により位相が乱れる恐れあり>
(2)送受信周波数を150MHz帯等の低い周波数に変更する−−−>VCOを75MHzで2逓倍して150MHz送信するとOK!
  <試作済みの基板パターンで良いか不明、小さいアンテナでは送信効率低い>−−−>150mmホイップアンテナでOK
(3)低い周波数(例えば45MHz)でBPSK変調して、ミクサーで目的の周波数に変換する。
  ・・・送信占有帯域幅の問題も水晶フィルタを通して解決可能な方式。
  <送信基板は全面的な回路設計変更で、複雑になる>
(4)シールド板を使って各回路から漏れる信号を封じ込めて動作を安定化する。
  <形状が大きく、重くなる>
(5)その他、安定なBPSK変調回路の模索

3.今後の進め方
 上記(1)と(2)は試作基板パターンを利用可能な方法であり、優先して検討する。 −−−>(2)の方法で進める
それで解決できない場合に基板を再設計して(3)や(4)を検討し、他に(5)の安定なBPSK変調回路が見つかればそれを検討する。
 受信機は比較的良好な特性が得られている。
一部の回路変更した部分を基板パターン修正して量産可能になる見込み。
送信機の都合で受信周波数の変更が必要になれば、その回路定数を変更設計する。


4. 150MHzの送信機に変更して、75MHzのVCOを2逓倍する方法が良さそう。 
   150MHzの送信機を2台追加試作したら、特性は比較的揃っている。
1台を温度試験して位相バランスを見ると-10〜+60℃の範囲で使用可(-20〜+70℃でも復調出来そうな波形は受信される)
1ヶ所トリマコンデンサで位相バランスを補正することで量産可能と見込まれます。

 150mm長のアンテナ線直結でちょうど微弱電波の規制値付近の送信レベル。
300MHzより輻射効率が悪くて基板より外にアンテナ線を延ばさないと送信電界が低い。
その分、変調前の信号が漏れるレベルは問題無い、ヘリカルやループアンテナにして短縮する方法等は別途考えたい。

微弱SS送信機ブロック図(案)


 微弱SS送信機基板図(案)---(部品変更によりFSKおよびASK変調も可)
ノイズの少ないPICマイコンで送信ON/OFFとPLLの周波数制御を行う(外部マイコンから制御する端子有り)


外形図(案)


< 実験用バラック基板で300MHzPLL出力をBPSK変調して受信した波形 ↓ >

これはトランジスタ2個でエミッタ接地とベース接地回路を組んで交互に動作させて位相変調回路とした。
PLL回路は100kHzの比較的速い位相比較周期にしてVCOのジッタを抑えた。(10kHzの周期では位相の乱れが大きい)
更にVCOは150MHzで発振して2逓倍後にBPSK変調した、これで厳重なシールド無しでも安定に動作する。
小さい基板に組むと各回路間で干渉して位相が乱れやすい。
GNDパターンはしっかりとって、なるべくノイズが少ないマイコン等の部品で構成する。
 −−−>その後試作基板では300MHzで不安定であった為150MHzに変更


実験中の試作0号機



変調後の送信出力波形-BPSK/1kBPS (まだ位相バランスが安定しない)-20070619


< 試作機のBPSK変調波を受信した波形 ↓ >

PLLループが高速で動作して、速い周期のジッタにより波形が滲んでいる。 20070628







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